SharePointを複合機・スキャナーの保存先にできる?SMBスキャンとの違いと代替方法

複合機やスキャナーで読み取ったPDFを、SharePoint Onlineへ直接保存したいと考えることがあります。

特に、これまでNASやファイルサーバーの共有フォルダーへスキャンデータを保存していた場合、「保存先をそのままSharePointへ変更できないか」と考えやすいでしょう。

先に結論をまとめると、一般的な「スキャン to SMB」でSharePoint Onlineを \\server\share のような保存先として直接指定することはできません。

ただし、SharePointへスキャンデータを保存すること自体ができないわけではありません。

複合機側がSharePoint Onlineへのクラウド保存に正式対応している場合や、NAS、メール、Power Automateなどを経由することでSharePointへ保存できる構成があります。

保存方法 SharePointへ保存 判断
複合機 → SMB → SharePoint × SharePointは通常のSMB共有フォルダーではない
SharePoint対応複合機 → SharePoint 機種・サービスの対応状況による
複合機 → NAS SharePointには直接保存しない SMBなら単純で安定しやすい
複合機 → PC共有フォルダー → OneDrive同期 可能な構成だがPC依存になる
複合機 → メール → Power Automate → SharePoint 自動化可能
複合機 → NAS → SharePoint NAS・アプリ側の対応状況による

重要なのは、「SharePointにスキャンデータを保存できない」のではなく、「一般的なSMB共有フォルダーとしてSharePointを直接指定できない」という違いです。

 

SharePointをスキャン to SMBの保存先にできる?

一般的な複合機では、スキャンしたPDFや画像をSMBを使って共有フォルダーへ保存できます。

たとえばNASを利用する場合は次のような構成です。

複合機
  │
  │ SMB
  ↓
\\NAS01\Scan

複合機には、保存先としてNAS名やIPアドレス、共有フォルダー名、ユーザー名、パスワードなどを設定します。

しかし、SharePoint Onlineは通常のWindowsファイルサーバーやNASのように、

\\SharePoint\Scan

というUNCパスを提供するSMBファイルサーバーではありません。

そのため、複合機の「スキャン to SMB」機能にSharePointのURLを入力しても、通常の共有フォルダーと同じようには利用できません。

SharePointとNASの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

SharePointとNASの違い|どちらを使うべき?併用する場合も解説

 

エクスプローラーにSharePointが表示されるのになぜ保存できない?

SharePointを利用しているPCでは、SharePointのファイルがWindowsのエクスプローラーに表示されることがあります。

そのため、

エクスプローラーに
フォルダーとして見える
        ↓
SMB共有フォルダーとして
使えるのでは?

と考えやすいのですが、両者は別の仕組みです。

SharePointのライブラリをPCへ同期した場合、概念的には次のようになります。

SharePoint Online
        ↑
        │ 同期
        ↓
OneDrive同期アプリ
        ↑
        │
        ↓
PC上の同期フォルダー

エクスプローラーに表示されているのは、OneDrive同期アプリを介してSharePointと連携しているフォルダーです。

SharePoint OnlineそのものがSMB共有フォルダーとして公開されているわけではありません。

Microsoftも、SharePointファイルをエクスプローラーから利用する方法として、OneDriveへのショートカットまたはOneDrive同期アプリを案内しています。

 

複合機がSharePointに対応していれば直接保存できる場合がある

「SharePointを複合機の保存先にできない」と一律に判断することも正しくありません。

複合機やスキャナー、メーカーが提供するクラウド連携サービスの中には、SharePoint OnlineやMicrosoft 365への保存機能を提供しているものがあります。

その場合はSMBではなく、複合機やクラウドサービス側がMicrosoft 365と連携してSharePointへファイルを送信します。

複合機
  │
  │ メーカー提供の
  │ クラウド連携
  ↓
SharePoint Online

この方法を利用できるかどうかは、複合機の機種、ファームウェア、追加サービス、契約内容などによって異なります。

そのため、SharePointへ直接保存したい場合は、まず使用している複合機の仕様でSharePoint OnlineまたはMicrosoft 365への保存が正式にサポートされているかを確認してください。

 

方法1:NASをスキャン保存先として使う

複合機がSMBに対応しているのであれば、最も単純なのはNASを保存先として利用する方法です。

複合機
   │
   │ SMB
   ↓
 NAS
   │
   └─ Scan

スキャンしたファイルをNASへ一時保存し、必要なファイルだけSharePointへ移動します。

この方法には次のメリットがあります。

  • 複合機のSMB機能をそのまま利用できる
  • 構成が分かりやすい
  • SharePointとの直接連携を複合機へ求める必要がない
  • インターネット接続に依存せずスキャン保存できる

一方で、NAS本体の管理や、SharePointへファイルを移す運用が必要になります。

それでも、SMBしか対応していない複合機を無理にSharePointへ接続するより、NASを受け渡し場所として残す方が単純なケースは多くあります。

 

スキャンデータを取り込み後に削除するならNASは一時保存先にできる

スキャンデータをNASへ長期間保存する必要がないケースもあります。

たとえば、次のような運用です。

複合機
   ↓

NASのScanフォルダー
   ↓

担当者が内容確認
   ↓

必要な場所へ保存
   ↓

NAS上のファイルを削除

この場合、NASは最終的な文書保管場所ではなく、複合機とユーザーの間にある一時的な受け渡し場所として利用できます。

最終的に保管する必要がある文書だけSharePointへ移動すれば、SharePointとNASの役割も明確になります。

共同利用・長期保管する文書
          ↓
      SharePoint


複合機から生成された
一時的なスキャンデータ
          ↓
         NAS

 

方法2:PCの共有フォルダーとOneDrive同期を経由する

NASを使わず、PCを中継させる構成も考えられます。

たとえば次のような構成です。

複合機
   │
   │ SMB
   ↓
PC上の共有フォルダー
   │
   ↓
SharePointと同期している
PC上のフォルダー
   │
   │ OneDrive同期
   ↓
SharePoint Online

SharePointと同期したPC上のフォルダーへファイルが追加されると、OneDrive同期アプリによってSharePoint側へアップロードされます。

ただし、当サイトでは企業で恒常的に利用するスキャン保存構成として、この方法を第一候補にはしません。

理由は次のとおりです。

  • 中継するPCの電源が入っている必要がある
  • PCのWindowsやユーザー環境に依存する
  • OneDriveのサインイン状態に依存する
  • OneDrive同期の停止やエラーの影響を受ける
  • 特定のPCが事実上の中継サーバーになる

小規模環境や一時的な構成では利用できる場合がありますが、長期間運用するのであれば、NASや正式なクラウド連携など、特定PCへ依存しない方法を優先して検討してください。

 

方法3:メールとPower Automateを使ってSharePointへ保存する

複合機に「スキャン to メール」機能がある場合は、メールとPower Automateを組み合わせる方法もあります。

構成例は次のとおりです。

複合機
   │
   │ PDFをメール送信
   ↓
Microsoft 365の
メールボックス
   │
   ↓
Power Automate
   │
   │ 添付ファイルを取得
   ↓
SharePoint
ドキュメントライブラリ

Power Automateでは、Microsoft 365のメールをトリガーとして処理し、添付ファイルを取得する構成を作成できます。

また、SharePointコネクタには、指定したドキュメントライブラリへファイルを作成する機能があります。

そのため、

  1. 複合機から特定のメールアドレスへPDFを送信する
  2. Power Automateがメールを検知する
  3. 添付されたPDFを取得する
  4. SharePointの指定ライブラリへ保存する

という自動処理を構成できます。

ただし、SMB共有に比べて構成は複雑になります。

また、メールの送信失敗やPower Automateのフロー停止なども考慮する必要があります。

単純にスキャンファイルを一時保存したいだけであればNASの方が分かりやすく、SharePointへ自動的に集約する必要がある場合にPower Automateを検討するとよいでしょう。

 

方法4:NASからSharePointへ転送する

NASをSMB保存先として利用し、その後SharePointへ転送する構成も考えられます。

複合機
   │
   │ SMB
   ↓
 NAS
   │
   │ クラウド連携
   ↓
SharePoint

この方法が利用できるかどうかは、NASや使用するアプリ・サービスがSharePoint OnlineまたはMicrosoft 365へのアップロードや同期に対応しているかによります。

対応している環境であれば、複合機は従来どおりSMBを利用しながら、NAS側でクラウドへの転送処理を行えます。

ただし、NAS製品ごとに対応サービスや認証方式などが異なるため、導入前に製品の公式仕様を確認してください。

 

SharePointへ保存するならどの方法がおすすめ?

複合機からSharePointへスキャンデータを保存したい場合は、次の順番で確認すると判断しやすくなります。

条件 第一候補
複合機がSharePoint Onlineへ正式対応している メーカー提供のSharePoint連携
複合機はSMBに対応している NAS
SharePointへ自動的に集約したい メール+Power Automateを検討
NASからSharePointへの転送機能が利用できる NAS経由を検討
少数PCだけの小規模環境 PC経由も可能だが優先度は低い

 

複合機の保存先をSharePointにする判断フロー

複合機がSharePoint Onlineへの
クラウド保存に正式対応している?
        │
   ┌────┴────┐
  YES        NO
   │          │
   ↓          ↓
メーカーの   SMB保存に
SharePoint   対応している?
連携を検討       │
           ┌────┴────┐
          YES        NO
           │          │
           ↓          ↓
       NASを検討   メール送信に
                     対応している?
                       │
                  ┌────┴────┐
                 YES        NO
                  │          │
                  ↓          ↓
             Power Automate  機種・サービスの
             連携を検討      対応状況を確認

「SharePointを使っているから、スキャン保存先も必ずSharePointにする」という考え方ではなく、複合機が対応している通信方法から逆算して保存先を決める方が無理のない構成になります。

 

クラウド化したのにNASを残すのはおかしい?

SharePointを導入した後もNASを残すことに違和感を持つことがあります。

しかし、NASが残っているからクラウド化に失敗しているわけではありません。

クラウド化の目的は、NASを完全になくすことではなく、データやシステムの用途に合った保存場所を選ぶことです。

たとえば、

Office文書
共同編集資料
部署共有資料
      ↓
  SharePoint


複合機
SMB必須システム
      ↓
     NAS

という使い分けでも問題ありません。

むしろ、SMBしか対応していない機器まで無理にSharePointへ接続しようとすると、中継PCや複雑な自動処理が必要になり、管理対象が増える場合があります。

 

当サイトでおすすめするスキャン保存構成

当サイトでは、複合機がSMBを前提としている場合は、無理にSharePointへ直結しないことをおすすめします。

特に、スキャンデータが一時的な受け渡しファイルであれば、次の構成は非常に単純です。

複合機
   │
   │ SMB
   ↓
NASのスキャンフォルダー
   │
   ↓
ユーザーが内容確認
   │
   ├─ 必要な文書
   │      ↓
   │  SharePointへ保存
   │
   └─ 不要になったデータ
          ↓
        削除

この構成では、NASを長期保存場所にする必要はありません。

NASは複合機からファイルを受け取るための一時的な受け渡し場所として利用し、最終的に共同利用する文書だけSharePointへ保存できます。

SharePointは人が共同作業するデータ、NASはSMBを必要とする機器との受け渡しと役割を分けると、構成を理解しやすくなります。

 

SharePointをスキャナー保存先にできるかまとめ

一般的な複合機の「スキャン to SMB」で、SharePoint Onlineを直接保存先として指定することはできません。

SharePointのライブラリがWindowsのエクスプローラーに表示されていても、それはOneDrive同期アプリなどを介して表示されているもので、通常のSMB共有フォルダーではありません。

SharePointへスキャンデータを保存したい場合は、次の方法を検討します。

  • SharePoint対応複合機ならメーカー提供のクラウド連携
  • SMBしか対応していないならNAS
  • 自動的にSharePointへ保存したいならメール+Power Automate
  • 対応するNASであればNASからSharePointへの転送

最も重要なのは、「SharePointへ保存できるか」と「SharePointをSMB保存先として使えるか」を分けて考えることです。

SMBを前提とした複合機であれば、SharePointへ無理に直結せず、NASを受け渡し場所として残す方法も合理的です。

SharePointとNASそのものの使い分けについては、以下の記事も参考にしてください。

SharePointとNASの違い|どちらを使うべき?併用する場合も解説

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